日本では第3波を迎え、医療崩壊を避けるべく様々な取り組みが始まっているようである。
イギリスではこれまで「Stay Home-Protect NHS-Save Lives」「家にいろ・NHSを守れ・命を救え」というスローガンの元、Covid-19パンデミックの中、国全体でイギリスの医療を守ろうとしてきた。

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まずはイギリスの基本的な医療体制はこうだ。イギリスの公的医療・NHS(国民保健サービス)診療を受けるには、地域の初期診療を担う総合医療医GP(General Practice)に登録し、まずはここを訪ねなければならない。予約が取りづらく、ナースの対応の悪さという難点もある。このGPに見てもらい、NHSでの専門医の治療が必要と診断され紹介状を書いてもらえなければ、NHS病院で診療を受けられないという仕組みだ。基本的に薬以外全てが無料。

国民の意識として、風邪などで診察など受ける人はまずいない。よっぽどでないと薬の処方箋を書いてもらえないのをわかっているし、水分をよくとって市販の薬を飲めとしか言われないのをわかっているからだ。

ではCovid19の感染が疑われた場合はどうか。政府の国民への対応策はこうだ。「症状が出ても病院(GP)に行かないでくれ、家にいてくれ」である。NHSのオンライン症状チェッカーを使用し、取るべき対応を自分で確認する。その結果に応じ、救急車両申請を行うかNHS111への電話相談を行い専門家からの指示を仰ぐというものであった。(NHS111とは、医者への診断を仰ぐか迷った時などに、専門家からの対応をアドバイスしてもらえる電話相談所)
基本的には「症状が出ても、病院・薬屋に行かず市販薬を飲んで自宅隔離」7日間、充分な水分を摂り、パラセタモール(鎮痛剤)を使用し、自宅で自力で治せである。(症状のある人と同じ家に住む人は症状のある人が発症した日から14日間の自宅隔離)

「自力で治せ」という対応は限られたNHS医療リソースは重症者に空けておく事を踏まえての事である。こうした対応で入院・集中治療のキャパシティを大幅に拡大し、Covid19対応可能な医療制度へと転換したことで、人工呼吸器などの病院医療は不足なく提供することができたと言われている。

またイギリス政府はロックダウン開始と同時にオリンピックで使用したエクセル展示センターを使用し、臨時のCovid-19専門病棟・NHSナイチンゲール病院ロンドンを設立。500床からスタートし、現在では4000-5000床の設置が可能である。軍の力を借り、大打撃を受けている航空業界から応急処置などの訓練を受けたスタッフをEasy jetから9000人。Virgin Atlantic Airlineから4000人を確保し、ナースの指示の下、応急処置のスキルを活かしながらベッドのシーツ交換など医療従事以外の業務をナースの代わりにこなすよう体制が整えられている。

イギリスのPCR検査体制というのは初期の頃は検査不足が問題視されていたが、政府がすぐに対応し、今では十分な数が準備されいる。ドライブスルーシステムやホームキットも利用でき、いつでも誰でも受けられるが、PCR検査もただ、すべての人に行うというのではなく、必要な人に行うという形だ。

そもそも症状があったら自己診断。自宅療養が基本なのだから、症状があった時点でPCR検査を受ける人はどのくらいいるのだろう。筆者の友人でも何人かCovid-19に感染しているが、どの友人もPCR検査を受けていない。味覚・嗅覚の異常の症状から「Covid-19」と自己診断し、自宅で「たっぷりハニーの入ったレモンジンジャーティーを飲んで、睡眠をとる」それで完治した。

こうしたイギリス式には欠点がある。せっかくの検査体制は整っているにも関わらず感染者の可能性がある人への検査が正確に行われていない。こうした「自力で治せ」対応方法が効果を発揮するのは自宅待機・隔離がきちんと守られてる事が前提であり、また国民のきちんとしたウイルスに対しての理解も必要になってくる。医療に関して全くの素人の国民に自己診断をさせるのはいかがなものであろう。この結果が、毎日の膨大なイギリス新規感染者数・および欧州で最悪の死亡者数に反映しているように思えてならない。

私たちは今、With Covid-19時代に。そしてイギリスでは転換プランが政府から配布され、医療体制も第2ステージに入ったようだ。これは次回、ご案内したいと思う。

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