ニュージーランド総人口約480万人。率いるのはジャシンダ・アンダーソン首相。今ではどの国でも使われるようになった「バブル」という言葉を最初に使ったのがこの女性首相だ。このアンダーソン首相はCovid-19対策としては珍しく、最も困難を極める「根絶」を目指していた。

ニュージーランド・ジャシンダ アンダーソン首相

確かにイギリス総人口6600万人。日本の総人口1億2千万人。圧倒的な人口の違いがあるので平等に比べられるわけではないが、同じ島国であるのに、感染者をゼロにした感染対策とはどのようなものだったのだろうか。

ニュージーランドは2月28日国内初のCovid19感染者を確認。3月26日国内初の死者が出たことによって、即座にロックダウンを決行した。ロックダウンの内容はヨーロッパで行われていた内容とほぼ変わらない。生活必需品を扱う店以外の店を閉店。買い物と1日1回の運動以外は外出禁止。イギリス同様に給与保障もされた。週に585.80NZドル(約38000円)をフルタイムの人に。週に350NZドル(23000円)をパートタイムに支払った。

しかしここが違う。ニュージーランド経済はほぼ観光業に依存しているにも関わらず、この国は即座に国境を封鎖したのだった。3月19日から例外を除き、居住者のみの入国を可能とし、早々に入国者全員にPCR検査を実施、陽性者は自宅またはホテルでの14日間の自主隔離を徹底して行う。(自主隔離ホテル費用は全て個人負担)4月11日からはテスト結果に関係なく入国後14日間の自主隔離となる。こういった厳しい出入国管理を行ってきた。島国がゆえ、国境を管理し、入国者への対策をしっかり行うことは非常に重要なことではなかったか。今でもニュージーランドは観光目的の入国を禁止している。

また迅速な「接触者追跡」も行われた。国内の主な感染者は海外渡航と直接的または間接的に関連性があるか、既に発生の確認のとれているクラスターにかかわる人たちだ。名前こそ出ないものの、性別、年齢、海外渡航歴、NZへの便に搭乗した日にち、搭乗地、便名に至るまでの情報が網羅されている。

そしてこうした感染対策が実を結び、ついに5月2日感染者ゼロとなる。6月8日にはとうとうアンダーソン首相が「ウイルスを一掃できた」と宣言。その後、感染者ゼロは102日間続く。

残念ながら8月11日に4人の経路不明感染者を見つけ、市中感染と断定。たった4人だけの感染発覚だったのだが、この時も即座に2回目のロックダウンを行った。8月31日から公共交通機関利用時のマスク着用義務化。しかし既に2回目のロックダウンも解除され、10月22日には社会的距離を取る事も解除。ニュージーランド国内は経済活動を再開し、通常通りの生活が戻ってきているという。

ところでウイルス根絶に向けたニュージランドの対策を支持した易学者のマイケル・ベーカー氏と国は徹底的にこの4名の感染経路を調べている。「ニュージランドの町中でウイルスが現れたという事は国境を越えて持ち込まれたとしか考えられない。3か月もの間、見つからずに存在し続けていたとは到底考えられないからだ」とベーカー氏は言う。しかしどの国境から国に持ち込まれたのかいまだにわかっていない。

ニュージーランドの国民の政府への信頼度83%。

パンデミック対策の賛成84%

コロナ対策の賛成88%。

ロックダウンに従った国民92%。

ニュージランドの対策を成功に導いたのは迅速なロックダウン、国境封鎖と検査体制の強化。そして上の数字からもわかるように指導者からの明確なコミュニケーションとリーダーシップによる国民の政府に対する信頼度の高さがあげられるのではないだろうか。

アンダーソン首相の絶対的なコミュニケーションの上手さは称賛されるべきであろう。”政策”は国民全員がなかなか理解できるものではない。しかし、彼女はより国民が理解できるよう「例」を多用し、国民への謝意を忘れず、自ら国民代表としての正直な思いを、自分の言葉で正確な情報と併せて国民に毎日、伝え続けた。

すきま時間にFacebookからのライブ配信を行い、時には親しみやすい家でくつろぐスウェット姿で登場。笑顔を絶やさず、国民の質問にも1つ1つ丁寧に落ち着いた心強い返答を心がけた。「Be kind, we are all in this together」こうしたメッセージを通じて国民1人1人の協力なしにCovid19に打ち勝つことはできない事も繰り返し伝えたのだった。

こうした感染症に立ち向かうにはいくら政府や専門家がメディアで有効であろう「感染対策」を叫んでみても、国民が政府を信頼し、それを理解する事が大切で、国が1つとならなければ成し遂げられるものではないだろう。その為には絶対的なリーダーシップで国民を正しく導くトップの存在が必要なのかもしれない。

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